2011年09月18日

8月27日中部WSレポート

こんにちわ。
中部WSレポーターの千春です。

中部WSは毎月のように台風の到来と重なり、なかなか畑に出れない日々です。
今回も畑での作業を予定しておりましたが、(当日は晴れてはいたのですが)台風の接近もあり、またまた室内での講義になりました。
8月27日中部WSレポート

今回のテーマは『堆肥』。

まずは玉栄さんからの投げかけの言葉。
「いつから私たちは野菜を肥料で育てるという頭になったのだ。野菜は土で作られる」。
おそらく一般的には、大きく、早く、たくさん作物を採りたいので肥料を畑に入れる。
でも玉栄さん曰く、「野菜は土で作られる。そしてその土ですら、人間が作ることはできなんだ~」
では、誰が土をつくっているのでしょうか?
それは、畑にいる虫や小動物や微生物であり、草や木であり、太陽、雨、風、月などなど、ありとあらゆる自然の営みによって作られているのです。
だから人間ができることは、その自然の営みを妨げないように、より畑の生き物が活発に活動できる環境をつくること。
そのために、玉栄さんは畑に堆肥を施します。
堆肥と言っても、玉栄さんの畑はすでに微生物がいっぱいいる土になっているので、畑の草を敷くくらい。季節の変わり目にはそこに米ぬかや海草を入れたり、栽培期間の長い作物やエネルギーの必要な作物にはちょこっと動物性の完熟堆肥を入れたりします。それもあくまで土の環境をよくするため。
でも、堆肥は土の中に入れずに、表面を覆う程度に撒くだけです。これで十分だそうです。

特に市販で売られている堆肥は『完熟たい肥』と書いてあっても、未熟や中熟なものが多いので、それを土の中にすき込んでしまうと土の中で醗酵して、根を焼いたり、虫がわいたりする原因になるので、表面に撒くだけでいいそうです。
8月27日中部WSレポート

堆肥は「畑の環境を整えるため」と書きましたが、環境を整える上で大切なことの一つは『土を裸にしないこと』。
上記で述べましたが、堆肥は土の中にすき込むのではなく、表面に撒くこと。
それは森を見れば一目瞭然。
森は枯れ葉が落ちて、表面を覆い、それがやがて腐葉土になり、植物の栄養になります。
だれも土の中に落ち葉をすき込んだりはしません。
土の表面で葉っぱが分解している過程で、栄養分が自然と土の中にしみ込んでいくそうです。
畑の植物は葉っぱが落ちないので、その代わりに畑の草を敷く。
「畑を森のような環境にすればいいさ~」と玉栄さん。
実際に玉栄さんの経験からすると、表面施肥の方が自根も増えて、収量も多かったとか。

でも、玉栄さんのように堆肥だけで作物が育つようになるまで、それはそれは長い道のりである。
玉栄さんも「最低5年はかかるね」とよく口にしています。
「今日やったから、明日できるものではない。とにかく辛抱強くやり続けること」。
それともちろん、堆肥だけではなく、種や苗の関係性もあるから、本当に奥が深い。

WSの翌週、畑で作業しながら玉栄さんに言われた一言。
「みんな畑を好きでやっているんでしょ。だったら楽しまないと・・・」
大きく、たくさん収穫ができることも喜びかもしれないけれど、まずは畑で起こっている自然の営み(生命の物語)を楽しめるようになったら自然農が楽しくなるよ~とのメッセージでした。

≪堆肥のおさらい≫
玉栄さんの堆肥を作り、施す理由は・・・
土を固めない
土を温める
土を乾かさない

そして堆肥を施すことで得られる効果は・・・
土の構造を改良する
表面をアルカリ化する(豊饒な場所になる)
植物の根の張りをよくする
微生物の活動をよくする

≪おまけ≫
完熟堆肥の見分け方
ビーカー(容器)に堆肥と水を入れかき回し、すべて堆肥が沈んだら完熟。
浮いてくるものが多ければ未熟だそうです。


今回のWSの最後に、まこっちゃんが『野口のタネ』で購入した貴重な種を10種類くらい分けてくださいました。
家で使うには量が多いからとのことで・・・。本当にありがとうございました。
8月27日中部WSレポート



以上、中部WSレポートでした。


同じカテゴリー(ワークショップ・レポート)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。